バイリンガル子育てを続けるなかで、「家庭だけでは言語の維持がむずかしい」と感じる時期が訪れることがあります。そうしたときに検討されることが多いのが、補習授業校(補習校)や週末のイングリッシュスクールです。どちらも週末を中心に通う学びの場ですが、目的は大きく異なります。ここでは両者の違いと、それぞれが向く家庭の一例を整理します。
補習校と週末イングリッシュスクールの違い
補習授業校は、日本語や日本の教科(国語・算数など)を補うことを主な目的としています。海外在住の家庭や、日本語を継承語として保ちたい家庭が利用することが多い場です。一方、週末のイングリッシュスクールは、英語の維持・伸長を目的とした場で、日本国内で英語環境を補いたい家庭が選ぶ傾向があります。
国際結婚家庭で二言語を保ちたい場合、どちらを「主軸」に置くかは家庭の言語環境によって変わります。家庭内でどの言語が手薄になりやすいかを見極めたうえで、不足を補う場として位置づけると考えやすいかもしれません。家庭内での言語ルールの整理については家庭内の英語ルールをどう決めるかもあわせてご覧ください。
期待できるメリット
いずれの場も、母語・継承語の維持を後押しする役割が期待されます。読み書きを含めた体系的な学習は、家庭内の会話だけでは補いにくい部分です。また、同じ言語背景を持つ仲間と出会えることも、大きな価値のひとつと言えます。「自分だけではない」という感覚が、子ども本人の学習意欲につながる場合があります。ただし成果には個人差があり、通えば必ず身につくというものではない点は前提としてお考えください。
負担と現実的な続け方
一方で、負担も小さくありません。週末の通学時間、平日にこなす宿題、現地校や地元校との両立は、家庭にとって継続の壁になりやすい要素です。送迎を担う保護者の負担も見落とせません。
続け方に唯一の正解はありませんが、最初から完璧を目指さず、家庭の生活リズムに合う範囲で始める考え方が現実的とされることが多いようです。宿題の量が負担になる場合は、学校に相談して調整できるか確認する方法もあります。進学のタイミング、たとえば中学生の時期には本人の意思や学業の比重も変わるため、その都度、続けるか見直すかを話し合う姿勢が役立つかもしれません。
なお、日本の学校への進学・編入を視野に入れる場合は、帰国子女枠の制度と補習校での学びがどう関わるかを早めに調べておくと、選択の幅を広げやすくなります。いずれの場を選ぶ場合も、子ども本人の様子を見ながら、家庭に合う形を探っていくことが大切だと考えられます。