家庭内の言語ルールとは
バイリンガル子育てで最初に迷うのが「家の中でどの言語を、誰が、いつ話すか」という点です。決まった正解はありませんが、あらかじめ大まかな方針を家庭で共有しておくと、日々の会話で迷いにくくなります。ここでは代表的な3つの方式を紹介します。どれも道具や教材を買わずに始められる、費用ゼロの土台です。
代表的な3つの方針
OPOL(一人一言語)
親それぞれが自分の担当言語だけで子どもに話しかける方式です。たとえば片方が英語、もう片方が日本語と決めます。子どもにとって「この人にはこの言語」という区別がつきやすいのが長所です。一方で、担当言語の親と接する時間が少ないと、その言語の入力量が不足しがちです。親自身が一貫して話し続ける負担もあり、外食や来客の場では崩れやすい現実もあります。
家では少数言語(minority language at home)
家庭内では地域で少数派の言語(日本在住なら英語など)で統一し、多数派言語は学校や社会に任せる方式です。少数言語の入力量を確保しやすいのが最大の利点です。ただし家族全員がその言語を無理なく使えることが前提で、片方の親が不得意だと会話から取り残される難しさがあります。
時間・場所で分ける方式
「平日は日本語、週末は英語」「食卓では英語」など、時間帯や場面で切り替える方式です。生活リズムに組み込みやすく柔軟ですが、切り替えのルールがあいまいになると、結局使いやすい言語に流れてしまいがちです。
続けるためのコツ
大切なのは「完璧な一貫性」よりも「無理なく続けられること」です。ルールを守れない日があっても問題ありません。やめてしまわないことのほうが、はるかに影響が大きいと言われています。
- 兄弟がいる場合、上の子が使う言語に下の子が引っ張られやすくなります。兄弟間の会話は多数派言語になりがちだと知っておくと気が楽です。
- 祖父母との時間は、少数言語に触れる貴重な機会にも、逆に多数派言語へ傾く要因にもなります。事前に方針を共有しておくとよいでしょう。
- 現地校に通い始めると、多数派言語の圧力が一気に強まります。家庭内の少数言語の時間を意識して確保することが助けになります。
なお、進学や引っ越しで一方の言語が急に減ってしまうケースについては国際結婚家庭で英語が消えていく理由もあわせてご覧ください。年齢ごとの関わり方は0〜3歳の関わり方が参考になります。
まずは費用ゼロで始める
方針が決まったら、日々の読み聞かせや会話から始められます。教材を買う前に、まずは英語絵本の選び方のような身近な入力から取り入れてみてください。ご家庭の状況に合った進め方を整理したい方は、プラン作成ツールもお使いいただけます。効果を保証するものではありませんが、方針を言葉にしておくこと自体が、続けるための第一歩になります。